参加しました、見学会や講習会。

2012年3月 8日 (木)

GPSとGISの活用

先月の終わりに、GPSとGISの講習会に参加してきました。

GPSとGISを林業において活用するための講習でした。

GPSとは、カーナビや携帯体電話にも搭載されている機能で、複数の衛星から現在地の緯度経度を測位する機械の事です。

これを使えば、山にいながら自分がどこにいるかが分かる優れものです(゚ー゚)

また、GISとはざっくり言うと地図です。ただ、いろいろな情報を地図の上に重ねて見ることができるので、例えば一つの山の中でも、山ごとに所有者さんや、生えている木の種類や林齢を視覚的に把握することが可能になります!

と、少し難しい技術ですが、これを機にマスターして、森林管理の手がかりにしたいと思っています。

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↑ GPSの説明を受けてます

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↑ 現場での活用方法をレクチャーしてもらっています

担当:田丸光起

2011年10月19日 (水)

山梨県 藤原造林 見学会に参加しました。

ご無沙汰しています。田丸です。

10月18日に山梨県の藤原造林さんの見学会に参加してきました。

藤原造林さんは集約化をはじめ、独自の作業システムで利用間伐を行っている先進的な林業事業体の一つです。

平成24年度から本格的に始動する“森林再生プラン”を見越した見学会でした。“森林再生プラン”の柱でもある集約化と利用間伐ですが、東京チェンソーズにおいても、ステップアップのための準備を行っているところです。

今は切り捨て間伐がメインですが、実際に藤原造林さんの作業現場を見させていただいて、やっぱり「これだよ。目指しているのは!」と、実感させられるビジュアルでした!

無駄を徹底的に省いた作業システムと木材利用を前提とした効率的な作業システム、そしてその全てである道づくりの大切さ。とても刺激的な見学会でした。

ただ、代表の藤原さんが仰っていたことで印象的だったのが、「ここの作業道は、初期に作ったところで、崩れてしまったところなんだよ」とか、「試験的にハーベスタを入れたんだけど、残存木に傷が残ってしまったんだよ。」とか…要は、今に至るまでの失敗をちゃんと現状に活かしている姿勢はとても勉強になりました。

今でこそ先進的な事業体として紹介されていますが、今に至る道のりには、きっと失敗から多くを学んでいるんだなという感じでした。

何かと話題になる“森林再生プラン”ですが、いつも詰まるところは、「東京都には道を入れられない。」だとか、「集約化には大変苦労している。」なんて話をよく聞きます。

でも、結局のところ、この山をどうすれば収益のあげられる山にできるかという目的が明確になっていないと集約化する意味もなければ、作業道を入れる意味もないのでは。と、感じてしまいます。

今回の研修で感じたのは、まさに山を預かり、収益のあげられる山づくりを目指す藤原さんの熱意。そして、失敗から多くを学ぶ姿勢。

とても勉強になった1日でした。

また、ぜひ見学に行きたいです!藤原造林の皆様、ありがとうございました。

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↑ 標高1000mのところに開設された作業道で説明をする藤原さん。

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↑ 合板材として利用されるアカマツ。山梨県ではアカマツ林が多くみられる。また、アカマツ林へカラマツを植栽しているとの事。これも合板材だ。

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↑ 日立さんと開発した、小型のハーベスタ。最大の特徴はストローク式のアタッチメント。日本の山林に適した機械を目標にと作られた高性能林業機械。

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↑ ハーベスタとグラップルを併用した搬出作業システム。あっという間に、山の木が土場まで運ばれていきます。これで作業しているのは、2人。10立米/日・人搬出しているとのと。

担当:田丸光起

2011年6月19日 (日)

「森林再生プラン」という林業のこれから。 その3

前回までの話を、僕なりにまとめてみると、全国に豊富に存在する森林資は保育する段階から、利用する段階へ と方向を変えていかなければいけないという現状にあるということ。しかも、それらの森林資源は、今後10年でかなりの部分が、利用されるにあたる林齢(60年生~70年生)に近づいていくという事。

そこで、梶山氏は林業に携わる事業体の体質を木材の搬出に対する側面で強化していくことによって、林業という産業を自立できる産業として確立させていこうというもの。そのためには、機械化と集約化、路網整備が絶対条件であるという主張をしていると思います。

一方で、中嶋氏は日本の各地域に数多存在する、小規模山林所有者に対して搬出の技術提供や協力によって、そのような山主さん達が自ら山林の管理をしていくことのメリットや重要性を主張しているように思いました。

したがって、どちらの主張においても「日本の山林が管理不足によって、荒れていて、それをどうにかしないといけないのでは?!」と、いう問題解決の出発動機はあまり変わりないように思います。

ただ、梶山氏は日本の林業事業体のこれまでの体質や現状に焦点を絞り 、日本でも成功事例のある事業体や欧米の林業の現状を参考に今回の「森林再生プラン」を提示するに至ったのではないでしょうか…。

中嶋さんにおいては、NPO土佐の森・救援隊の事例をベースにこれまで、個人の山主さんが持っていなかった搬出の具体的手法を確立させたという点において、とても大きな功績を残していると思っています。また、日本各地には個人で山林を管理されている人だからこそ生態的にもとても豊かな山林を作りだしている人はたくさんいるのです。

…そこで、僕が感じたのは、「きっと、どちらも決して間違っている提案ではないのでは?」 という事…。

事実、多くの林業事業体は今後、搬出を伴った作業が宿命的な課題になると思います。

その一方で、自分の山は自分で管理したいという人も必ず存在するはずです。事実、それを実行してきた人達はいるのですから。

…僕が大切だと思う事は、山主さんの意見だと考えています。「森林再生プラン」は、来年度から本格的に始動します。

林業事業体はこれをきっかけに補助金に頼っていた保育作業中心だった現状の改善を求めらると思います。だからと言って、この事業からハミ出した山主さんが“バカを見る”ようなことがあってはいけないと思います。そこで、中嶋氏の提示する「小規模自伐型の副業型林業」が、その是非を問われるという事ではなく、選択肢の一つ として大切にされるべきだと思っています。

それと、10年後の木材自給率50%の目標について、山側の責任においてのみ議論が交わされるのではなく、川下(都会)で消費の中心になる人たちの意識の変化を同時に変えていく必要があるのではないでしょうか…?

「なぜ、日本の山林から運びだされた木を使っていく必要があるのか?」

「その木を使うことにどんな意味があるのか?」

「今ある、森林資源がなぜ存在するのか?」

最後に、この講演会でパネラーの一人だった方の、言葉を紹介したいと思います。

『今ある自然資源は祖先から譲り受けたものではなく、子孫から預かり受けたものである。』と、いう事…。

10年後に、そう言える山を一つでも多く作り上げる事ができなければならないのかもしれません…。

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↑ 帰りに見上げた東京タワー

担当:たまる

2011年6月14日 (火)

「森林再生プラン」という林業のこれから。 その2

今日の現場は、雨のため早めに撤退!無念。

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↑ 雨のちょう場、シトシト。

…前回の続きですが、

前回は「森林再生プラン」の説明をしました…なんとなく分かって頂けたでしょうか?

今回は、この「森林再生プラン」に異議を唱えるNPO土佐の森・救援隊の中嶋健造氏の提案する、「小規模自伐型の副業型林業」の話です。

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↑ NPO土佐の森・救援隊の中嶋氏

この「小規模自伐型の副業型林業」というのは、高知県でNPO土佐の森・救援隊が軽架線集材によるB・C級材の搬出、地域の木質バイオマス計画やそれに伴った地域システムの構築の過程で、確立された林業(山仕事)のスタイルです。

ここで、中嶋氏が大切にしているのは、「小規模だができることなら自分で木材の搬出をしたいという林家さんの思い…。

自分で伐った木材をバイオマスの燃料として買い取ってくれるので、林家さんの副収入にもつながり、持続的な間伐が行われ、山が良くなります。

なんといっても、人に山を預けず、山主さん自らが山に入って、間伐をするので手を入れる山に愛着がわいて、自然といい山になっていくとのことです。

小規模林家―[ B・C級材の自伐 ]→ バイオマス燃料 = 林家さんの副収入→ 山が少しずつ良くなる…と簡単にするとこの様な流れです。

要は、ここでは、収益を最大限重視してない ことによるメリットと、大規模な林業へのシフトだけが日本の山林の現状を改善する手段ではないということです。

…と、このあたりで、前回の梶山氏と意見が分かれてきます。

では、最終的なこの講演会の感想については次回に!

あまり、堅苦しい事ばかり紹介すると、マッチに怒られるので(゚ー゚; 笑

担当:たまる

2011年6月12日 (日)

「森林再生プラン」という林業のこれから。 その1

今月9日、都内芝にて「農都地域部会 震災支援フォーラム」と題した林業関係の講演が開催され、その講演会に参加してきました。

注目はなんといっても「森林再生プラン」の産みの親ともいうべき梶山恵司氏(内閣官房国家戦略室)と、それに異を唱える中嶋健造氏(NPO土佐の森・救援隊)の対決対談でした。

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↑ 講演会の様子。一番左が梶山氏。

ここで「森林再生プラン」の簡単な説明です(簡単でないかもしれませんが…)。

〈背景〉…日本の人工林が伐期(収穫時)を迎えている中、コストの安い外材や、日本の小規模山林所有から発生する木材搬出の非効率性などを背景とした、今までの日本林業全体としての問題や産業としての衰退化に対し

今後(h23度~)10年で林業を一産業として確立するため

小規模所有山林の集約化や機械化、路網整備を具体的な手段とした国の主導による取り組みによって

間伐材の搬出を推進し

2020年までに、日本の木材自給率を50%(現在は25%程)まで高める。

といった、内容です。

要は、日本の木は使えるのにいろいろな理由で出してこられないから、出してみんなで木を使っていける社会を目指しましょう!…といった感じになります。

ん~、ここで中嶋氏の話も説明すると長くなるので、何度かに分けて紹介することにします(゚ー゚)

そして、この政策にもちろん我が東京チェンソーズも対応していく必要があるのです。

何が具体的に変わっていくかというと、まず「森林再生プラン」によって全国(もちろん東京も)の林業に関する補助金の体系が変わってきます。

今まで切り捨て間伐に補助が出ていた事業が→(切り捨て間伐でなくて)搬出間伐に対しての補助に変わっていきます。

この“搬出間伐”というのが今後の林業界のキーワードになってくるでしょう…

…続きを書こうとしたら、本当に長くなりそうなので、次回以降、続編を連載します!

当分、堅苦しい文章になるかもしれませんが、お付き合いください(゚ー゚;

担当:たまに真面目なこと書く、たまる。

フォト

「若者だけの林業会社、奮闘ドキュメント 今日も森にいます。東京チェンソーズ」(徳間書店)

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